郷土料理百選へ戻る
大江戸線で味わう郷土料理トップ > 大門駅
大門駅

 大門駅の名は、江戸時代より徳川家の菩薩寺として多くの人に親しまれてきた、東京を代表する名刹・増上寺の総門に由来。新橋、田町と並ぶビジネス街として多くの人が行き交う大門だが、この総門の存在があるからだろうか、他のビジネス街にはない独特の深みや落ち着き、余裕のようなものが、街全体から感じられるような気がする。

  駅としての歴史は古く、1964年10月、都営浅草線の前身である都営1号線と国鉄(現JR東日本)・東京モノレールの浜松町駅との乗換駅としてスタート。周辺にはその当時の面影を感じさせる昔ながらの飲食店が数多く点在。これまた他の場所にはない独特の魅力ある店ばかりで、仕事に疲れたビジネスマン達の疲れを美味しく、楽しく、癒している。

りょうぶ
りょうぶ

日本伝統の京料理の手法で
郷土の持つ食の力を最大限活かす。


 ここりょうぶでは、伝統的な京料理も出す一方、郷土色のある料理も多様に提供。既存のジャンルでは区分けできない、「りょうぶ」流の味わいを確立している。「私は京料理を経験してきたので、その手法を活かして、古今東西の美味しいものをより美味しく提供できればと思っています」(店主の鈴木さん)。

 郷土料理の取材ということで、今回は郷土色のわかりやすいメニューを中心に出していただいたが、見事に「りょうぶ」流に仕上がっていた。

 名古屋名物「ひつまぶし」は石焼にて提供、ご飯にきんぴらがまぶしてあり、心地よい食感が絶妙なアクセントに。加えて温泉卵まであり、つぶしてまぶすと新たなうなぎの旨味を演出。飛騨の「朴葉焼」も牛肉でなくあえて三元豚。朴葉の香り、味噌のコクと風味が、三元豚の濃厚な味わいにピッタリ。

 そしてメインは…ここはあえて郷土色にこだわらず、この店の冬の看板料理「薬膳スッポンコラーゲン鍋」をいただくことに。薬膳・スッポン。強烈な味わいをイメージしたが、やはりそこは「りょうぶ」流、京料理の手法だからこそ味わえる、至極の逸品であった。スッポンのスープはその黄金色をそのまま濃縮したような、贅沢かつふくよかな旨味。そこに三元豚と鯛の身の薄切りをさっとくぐらせ食すと、スッポンの風味が食材をほどよく引き立て、何とも上品な味わい。次に薬膳を加え豚、鯛をくぐらすと、薬膳の鮮烈な香りが、食材を一層くっきりとした味わいに。そして共にいただく旬の野菜達が…濃厚でビックリ! スッポン・薬膳スープと相まり、力強い旨味が口一面に広がる。

 「当店の野菜は全て有機栽培。どれも土の力強さが漲っていますね」。考えてみれば野菜はどれも、育った土地の力が息づく「郷土食材」。その旨味を最大限引き出す京料理。この組み合わせもまた、郷土料理のひとつ? 強引??

良食健富 りょうぶ
東京都港区浜松町2-2-6
03-3431-8850
11:30~14:00 17:00~22:30 土曜11:30~14:00 17:00~21:30 日祝休
http://r.gnavi.co.jp/e751000/

大門駅ページ最上部へ
わらし

大門発の北海道料理の店で
北の大地の食の奥深さを痛感


  「北海道にはまだまだ知られていない食材がたくさんありますよ。その発信源になれるといいですね」。そう店長の岡部さんが語る通り、この店のメニューに並ぶ品々は、見慣れない種類の食材や料理が目立つ。魚介類の大半は北海道から直送。だから鮮度はもちろん、地元ならではの珍しいものも手に入る訳だ。

 まず出て来たのは、細長いボディとワイルドな表情が印象的な、見慣れない魚の姿づくり。「これはトビウオの仲間の【八角】という魚で、今では高級魚扱いされていますが、北海道では昔から獲られていました」。見た目の猛々しさとは裏腹に、身は透き通るような白さ。しかし味わいは見た目通り野性味溢れ、醤油につけた瞬間脂が浮くほどの濃厚さ。それでいて臭みなく後味すっきり。白身魚の概念を覆す一品。

 続いて出されたホタテの刺身は、なぜか身がほんのり赤い。「赤玉ホタテといって、5000枚に一枚しか出てこない貴重なもの。味の濃さが違います」。その旨味はもちろん、食感の密度が違う! ホタテ好きにはぜひとも食してほしい一品です。
そしてとどめを刺すかのような、名前、味わいともにインパクト抜群の一品が。「鍋こわしという、かじかという魚を使った鍋です。おいしすぎて箸で鍋をつついてこわしてしまうから、この名がついたと言われています」。身や皮はアンコウを上品にしたような奥行きある旨味。肝の濃密な風味もたまりません。さらにかじかの味をたっぷりと吸った野菜達のうまいこと! あっという間に鍋は空。それでも食べたくなる余韻。こりゃ鍋が壊れますわな。
もちろん一般的になじみある北海道食材や料理も充実しているのだが、鮮度が違うからかどれも想像を遥かに超える美味。我々の知る北海道の食の魅力は、まだほんの一部のようです。


炉端焼 わらし
東京都港区芝大門2-1-18 GSハイム芝大門101
03-6459-0304
17:00~23:00(ラストオーダーは22:30) 日休
http://r.gnavi.co.jp/e784300/

わらし
大門駅ページ最上部へ
illustration by Hiroshi Kawai, text by Jun Tanefuji
郷土料理百選へ戻る