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新宿西口駅

 大江戸線・新宿西口駅の周辺は、ビジネス街と歓楽街のちょうど境界線のような場所。西側に目をやれば、高層ビルと高級シティホテルが建ち並び、東側に目を向ければ、味わいある飲食店がひしめく思い出横町・新宿ペペ周辺のあか抜けた飲食街・その奥には新宿きっての歓楽街である歌舞伎町が広がる。行き交う人も、スーツに身を包む人、きらびやかに着飾る人、多種多様。昼夜問わず、多くの人で溢れ返る。人と同様、飲食店の種類もさまざま、数も多い。その中には、長らく新宿の街を見守って来た、新宿の大御所のような店も点在、今も昔も新宿で生きるさまざまな人達を、温かく迎えてくれている。

車屋本店
車屋本店

新たな和食のスタイルを作り上げて47年。
今やそれは新宿に息づく本物の和の味わいに。


車屋と聞けば、全国各地で本格和食を提供することで知られるが、実は日本料理の新たなスタイルを構築した革新派。ここ車屋本店がある新宿が、その創業の地である。

  「今から47年前、当時和食を食べるといえば高級料亭か、また赤提灯の居酒屋。もしくはうなぎやそばなどの専門店。料亭ほど肩肘張らず、でも本物の和食を食べられる場所として、カウンター越しに日本料理を食べる『スタンド割烹』を提案しました。当時としては斬新だったようで、連日行列ができたと言います」(常務・釣谷さん)。

 今はコース料理も用意しているが、基本は単品料理。カウンター越しに板前さんと会話を楽しみながら、食べたい時に食べたいものを好みの味で食べる。そこには店側はもちろん、客側にも知識やこだわりが求められる。大人の食の愉しみ方、である。「今となってはこういう形で和食を食べられる店は少なくなりました。でもこのスタイルを楽しみに、今でも全国からお客様がいらっしゃいます」。『スタンド割烹』という新宿の郷土食、とはちょっと語弊がある?

 もちろん割烹という名がある通り、出される一品一品はさすが本物。まず出された「あなごの白焼き」は、一見普通の白焼きだが、口に運ぶと柔らかく、そしてジューシー! 板前さんの細やかな仕事が感じられる。その一方で、創業当時の革新の精神もしっかりと息づく。メニューにはジャンルにとらわれない食材、調理の料理も。「時代と共に、我々も常に変化が求められます」とは料理長・大村さん。そう言って出してくれた「鯛茶漬け」は、まさに伝統と革新の融合した象徴のような味。「郷土食である鯛茶漬けをベースに試行錯誤を重ね、このゴマだれの味わいに行き着きました。〆にピッタリです」。確かにこくがありながらさっぱり! 飲んだ後にぜひ頂きたい一品でした。


車屋本店
東京都新宿区歌舞伎町2-37-1
03-3232-0301
11:30縲鰀14:30 17:00縲鰀22:00(土・日・祝は11:30縲鰀21:00)
無休
http://www.kuruma-ya.co.jp/

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蔵ゐなか

料理はもちろん、雰囲気も、店も、
また来たくなる味わい。


 大江戸線新宿西口駅からほど近く。ビルの地下1階にある店内は、思わずくつろぎたくなる、なつかしい雰囲気。創業40年を越える老舗料理屋ながら、初めて訪れる人もやさしく出迎えてくれた。

 「ここへ勤めて30年になりますが、私より前からこの店に通う常連さんもいらっしゃいますよ」。お店の看板娘(?)のゆりさんは今も現役。彼女に会いに来る常連も多いとか。店の雰囲気に加え、ゆりさんとの気さくな会話、そして笑顔。心が和む。常連さんの気持ちがわかる。

 看板メニューは多数。黒豚、ふぐ、くじら、活魚と、多様な地元食材を用意。「まずは黒豚を食べてみてください」と女将の石澤さんの勧めに従い、今回は黒豚料理をいただくことに。まず「黒豚のなんこつ焼」。口に入れた瞬間驚くほどの柔らかさ。本当に軟骨?続いて「黒豚の豚トロ柚子胡椒焼」。絶妙な焼き加減で柚子胡椒の香りが絶妙。そして双方通じるのは、豚の味が濃厚!脂も甘い!それでいてすっきりとした後味。黒豚って、本当に美味しいんですね。と黒豚の虜になりつつあるところに、この店の黒豚料理の主役「黒豚のしゃぶしゃぶ」登場。バラ・ロース二種の肉を、鶏ガラスープにさっとくぐらせ特製のワサビダレで食す。ワサビダレ最高!黒豚のうまさ、より際立つ!と興奮状態の私に石澤さんが持って来てくれた芋焼酎「蘭」。肉をほおばりながらチビリ。ちょっとクセのある焼酎の香りが、また豚の味を引き立てます。

 食材のよさはもちろん、料理の丁寧さも際立つ黒豚料理の数々。こうなるとふぐ、くじら、活魚も食べたくなる。常連さんの気持ちが、もっとよくわかりました。

蔵ゐなか
東京都新宿区西新宿1-4-1プリンスビルB1F
03-3344-3843
11:30縲鰀14:30 17:00縲鰀23:00(日・祝は11:30縲鰀14:30 16:00~22:00) 
年中無休(年末年始 12/31~1/2を除く)

http://r.gnavi.co.jp/g014705/

蔵いなか
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かりふわ堂
かりふわ堂

本場大阪仕込みの【うまい、やすい】に
【安全】が加わった唯一無二の味


 「かりふわ堂」のお好み焼きの味は、大阪生まれのミュージシャン・つんく♂氏が作り上げたもの。コンセプトは【うまい、安い、安全】。前の二つは本場・大阪の味を予感させるが、最後の【安全】はお好み焼きではあまりなじみのない言葉。

 「当店で使用する食材は全て国産。ソースにも化学調味料は一切入っていません」(店長の進藤さん)。もともとつんく♂さん、自身の体調のために自身の食を改善し、その過程で大阪のお好み焼きの味を天然食材だけで再現できないかと試行錯誤。ついに完成させ、その味を多くの人に知ってもらおうと、お店で提供するに至ったと言う。

 しかし一般的にお好み焼きは、濃厚で、ある種刺激的な味わいが特徴。化学調味料なしで本当にできるの?と不安を頂きつつ出されたのは、大阪版のオムレツとも言えるとん平焼きと、豚とキャベツしか使用していないシンプルな焼きそば。口に運んだ瞬間、その食材の濃厚さに衝撃! 豚も、野菜も、卵も、そしてソースも、経験したことのないくっきりとした旨味。美味しい食材を用いてこそ、美味しい料理が完成する。当たり前のことだけれど、それがどれだけ世の中に少ないのか、しみじみと感じさせられました。

 そして主役のお好み焼き登場。大阪出身のスタッフ・TAKUさんが焼き上げた、定番メニュー「豚玉」とオリジナルの人気メニュー「もちもちーずモダン」の二種。外はかりっと、中はふんわり、そして食材の持つ濃密な味。そのコラボレーションは、お好み焼きの概念を越えた、至福の味わいでした。

 「実は、お好み焼きが一番おいしいのは冬なんです。なぜならキャベツが一番おいしい季節だから」(進藤さん)。冬と言えばどうしても鍋料理が思いつくが、冬こそお好み焼きを食すべし! 少なくともこの店ではね。

お好み茶屋 かりふわ堂
東京都新宿区歌舞伎町1-12-6 歌舞伎町ビル2F
03-5155-7620
17:00~翌5:00、土祝11:00~翌5:00、日11:00~23:00
http://www.karifuwa.com

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illustration by Hiroshi Kawai, text by Jun Tanefuji
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