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新宿駅

 江戸時代、日本橋と高井戸の間に新たに設けられた宿場町だから、新宿。しかし今日、駅周辺を見渡しても新しさを感じさせるところはさほど見当たらない。強いて挙げれば新宿高島屋や今年大幅にリニューアルしたマルイの一帯。ただ、急激に開発が進む周辺の街に比べると、新宿はまだまだみんなが知っている新宿の雰囲気たっぷり。特に東口はアルタ前、御苑方面に続く新宿通り、歌舞伎町、ゴールデン街、花園神社…東京を象徴する場所が至る所にあり、そこを訪れに国内外からみんながやってくる。まるでずっと変わらないでと願うように。 繁華街的要素が強いからか、郷土料理店のあるイメージは一般的にはないけれど、そこは変わらない街。銀座、新橋に匹敵する老舗料理店が頑固なまでに昔ながらの味わいをもてなし続けてくれます。

水たき 玄海
水たき 玄海

創業80年の水たきは
人と人とをつなげる味


 「福岡の人にとって水たきは、日常的にとても親しみある存在のようです」(社長・落合さん)。福岡の繁華街には水たき屋が点在し、時には贅沢に、時には気軽に、博多っ子達は水たきをつまみ、酒を飲むそう。

 そんな水たき文化を玄海が東京に持ち込んだのは、昭和3年。「今でこそ東京でも水たきはスタンダードになりましたが、この店ができた当初は珍しかったみたいですね」。まさに東京に水たきの文化を浸透させた、第一人者。「創業から水たきのスタイルは変わりません。具は鶏のみ。野菜は入れません」。湯気が立ち上る鍋が登場すると、鶏の濃厚な香りが一帯を包み込む。濃厚な白濁スープに煮られた鶏達。箸でつまむと…ほろりと肉が骨から取れる。口に入れた瞬間の柔らかさ!味わいは鶏の力強さを保ちつつ、極めて繊細。確かに野菜を入れてしまうと、この微妙なニュアンスはわからないかも。

 そして〆は当然ながらスープで頂く雑炊。嗚呼…これまた鶏のみだからこそ堪能できる純粋な鶏のうまみ。極楽です。 水たき以外にも、玄海ならではの鶏の味わいが楽しめるメニューが。とりせんべいはささみを根気よくたたいて揚げ、歯ごたえが心地よくビールに最高。(鶏の)炙り刺しも火加減が絶妙で鶏の味わいが引き立ち、日本酒にぴったり。これらこだわりの味は、個室でゆっくりと味わうことができる。

 「気兼ねなく料理を味わうなら、やはり個室が一番。心ゆくまで親しい仲間と、美味しいものを楽しんでもらいたいですね」。全ての心遣いが、創業80年の味わい、ですかね。

水たき 玄海
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-5-1
03-3352-3101
11:00~22:00
http://www.genkai.co.jp/

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郷土料理ユック 北の海道

北の地の旬の新鮮食材には、
胃袋の限界なし。


 「この季節は、やっぱり石狩鍋が一番の人気ですね」(営業本部長・池田さん)。これからのシーズン、郷土料理でなくとも食べたくなるのはやはり鍋。そして北海道の鍋の代表と言えば「石狩鍋」。それを北海道直送食材が自慢のこの店で頼まない方が野暮と言うもの。新宿に訪れる方々は、わかっていらっしゃる。「でも実は今年から新たな鍋を用意したんです。北海道の食材がたっぷり味わえ、しかも美容にいい。特に女性にお勧めです」。その正体は…後述。

  そして鍋が煮えるまでの間、この季節の旬の食材を提供していただくことに。イカのワタをまぶして鉄板で焼かれた「イカのゴロ焼き」はイカの身が驚くほど柔らかく、ワタの濃厚な味わいが淡白なイカの身に絡まり、絶妙なコントラスト。続いて厚岸のカキは酒蒸し。カキの身がマシュマロのようにふわふわ! 味も濃厚。残ったスープも極上。そんなうまいものが出て来てしまっては、貴重と言われる焼酎「インカの目覚め」も、日本酒「国稀」も、どんどん進む訳です。

 そして程よく酔いが回った頃、二大鍋が登場。まずは石狩鍋から。肉厚のシャケが味噌とニンニクの風味と相まって、力強い食べごたえ。煮えた野菜もまたシャケのうまみが染み込み抜群。一方新作鍋の正体は…「コラーゲン鍋」。旬の魚介、野菜がところ狭しと煮え立ち、一品一品の味もさることながら、うまみが入り交じったコラーゲンスープが絶品!「コラーゲン鍋の〆には、ラーメンがいいんですよ…」。実は鍋前に十分満腹であったが、なぜか次々と入ってしまう。悲しいかな、うまいものには胃袋の限界がないのでありました。

郷土料理ユック 北の海道
〒163-1590 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワーB2
03-3340-3321
11:00縲鰀14:30/17:00縲鰀22:30
http://www.yukku.net/

郷土料理ユック 北の海道
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たらふく
たらふく

文字通り「たらふく」ふぐを満喫。
さらにふぐを引き立てる名脇役が…


 大阪名物・ふく(ふぐ)料理。その基本は、新鮮なふぐを、新鮮な状態で提供すること。入口の水槽で泳ぐふぐはことのほか勢い良し。加えて「その日にしめたふぐしか使用しません」と調理長の國吉さん。期待は膨らむ。

 今回は店一番人気の「たらふくコース」をいただくことに。まずは3種の皮が味わえる「ふくの湯引き」。3種も皮に種類があるのがビックリだが、その食感の違いにさらにビックリ! 珍味好きにはたまらんです。次に「ふく刺し」。皿が透けるほど薄く切られた刺身はあっさりすっきり。と國吉さん、豪快に切られた「ぶつ切り(※)」刺しの一皿も提供してくれた。これまたしっかりとした歯ごたえで「ふく刺し」とは異なるうまさ! 新たなふぐの魅力が感じられた。

 そしていよいよ「ふくちり鍋」登場。ふぐの身はぷりぷりして、上品かつ複雑な味わい。そのうまさに取材陣、みな無言で黙々と食し、完食。そして〆の雑炊。ふぐのうまさを凝縮したような、奥深い美味。またふわふわに泡立てた溶き卵が、柔らかな食感を演出。「通はこの雑炊を一番好みますね」(店長の三浦さん)。

 文字通り「たらふく」ふぐを頂いた訳であるが、実はこのうまさを演出する名脇役の存在が。「ポン酢は当店オリジナルのもの。一部の人しか作り方を知らない門外不出の味です」(國吉さん)。くっきりとした味わい、鮮烈な香り。繊細なふぐの魅力を最大限引き出していた。 あ、もしお酒が飲めれば、もう一人の名脇役・ひれ酒も忘れずに。これまたふぐとの相性抜群! 取材じゃなきゃ3杯はいったな…
(※)「ぶつ切り」は「たらふく」コースに含まれません。


たらふく 新宿店
東京都新宿区歌舞伎町1-2-8 第2ウィザードセブンビル1F
03-3200-5569
月~金 16:30~04:00
土   16:00~04:00
日・祝 16:00~23:00 無休(12/31~1/2休業)
http://www.oc-t.jp/
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illustration by Hiroshi Kawai, text by Jun Tanefuji
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