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汐留駅

 汐留駅の改札をくぐると、なるほど2002年に再開発されたばかりの地区らしく、近代的な街並が一面に広がる。こんなところに郷土料理店があるのだろうか?と訝りながら周辺を歩いてみると、サラリーマン達の聖地・新橋と、郷土料理激戦区といえる銀座がほど近く。そしてその中には、昔ながらの味わいをもてなすであろうオーラをまとった郷土料理店が、しっかりと軒を連ねていた。その一方で、近未来的な汐留のビル内にも郷土料理店が入居していたり。そもそも汐留、江戸時代は武家屋敷、商人屋敷がひしめく江戸屈指の繁華街。明治期には開通した鉄道の駅舎のある場所として、歴史に名を刻んだ。昔ながらの郷土料理を味わえば、古き汐留の街並が思い浮かんで来る?

えぞ料理 ユック
えぞ料理 ユック

40年を経ても愛され続ける、
北海道の旬の味わいと、家庭的な雰囲気。


 店に入ると、まず柔和な笑顔が印象的な店長・杉山さんの出迎えが。そして肩肘張らずにくつろげそうな、家庭的な店内。いるだけで不思議と心が和む。

 「お客様の大半は常連さんですが、料理だけでなく雰囲気も気に入っていただいているようです」(営業本部長・池田さん)。ユックでは、毎日北海道から直送される食材のみを提供。曰く「食材そのものが郷土料理」。ということで今が旬のサンマの刺身、ホタテ・ホッキ・ツブ貝のあぶり、鮭の昆布締めと出していただいたが、どれも身が厚く、味わい濃厚。あぶり、昆布締めと多少手を加えてあるが、あくまで食材の風味を生かすため、という。次いでこれまた旬の生ガキ。身もふくよかで臭みなく、まさに海のミルク! そして一番のお勧めとして出されたのが、シシャモ。たかがシシャモ?と思うなかれ。身のつき方、香り、うまみ…すべて関東辺りで食べるものと別次元。「本物のシシャモが獲れるのは、北海道だけなんです」。別名、【神の魚】。その名に偽りなし、の味わいでした。

 「お酒も北海道のものを揃えているんです」と池田さんが持ち出した「大吟醸 千歳鶴」は平成20年度新酒品評会で金賞を受賞した名酒。気品ある香りときりりとした味わいは、前出の食材達に合う合う。他にも焼酎、ワインなどがあるとのこと。次回は焼酎でも試してみたい…しかも別の季節の食材と合わせたら…と気づけば想像を膨らます自分が。常連さん達の想いが、何となくわかりました。

えぞ料理 ユック 新橋店
東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル4F
03-3501-3983
11:00縲鰀14:00/17:00縲鰀23:00
http://www.yukku.net/

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方舟
方舟

恵まれた北陸、新潟の食材を、囲炉裏で香ばしく味わう。
それがまた日本酒が進むのです。


 見方によっては日本酒も郷土で培われた食文化の一つ。そして日本酒の本場と言えば、北陸。

 ここ「方舟 新橋店」は北陸の日本酒を堪能できるお店で、何と常時120本用意。私のような酒好きは良くも悪くも迷いそうだが…「お好みで気軽に選んでいただければいいですが…できれば酔っぱらう前、最初に【いいお酒】から味わっていただきたいですね」と店長・原さん。そう言いつつまず出してくれた『越の華 特選大吟醸』は、言葉通り新潟屈指の【いいお酒】。鮮烈な香り、豊かな味わい、それでいてさわやかなのどごし。そしてもう一杯出された『遊穂』は前者に比べ個性派。すっきりしたうまみの奥に、独特の香りと酸味が心地よい。なるほど、この順序が逆だと味わいが異なってくるような気も。そしてこうやって飲む順序や種類を試行錯誤するのも、この店のひとつの楽しみ方かもしれない。

 さて、その日本酒と共に味わう囲炉裏料理。まずは牡蠣、岩魚をシンプルにあぶっていただいたが、さすが北陸から直送される新鮮な食材、味は濃密、身も太く食べ応え十分。次いで出て来たスルメイカは、ワタをまぶして朴葉で焼く。これが最高に日本酒にピッタリ! そんな中「囲炉裏焼き以外にも、東京では珍しい北陸の食も用意しています」と原さんが出してくれた北陸の伝統食・堅豆腐の刺身。これまた大豆の味わいが濃密で、これも日本酒が合うなあ、と思ってグラスを見ると、もう空。これじゃ何杯あっても足りない…だから120本もあるのか。違うか?

方舟 新橋店
東京都港区東新橋1-1-2-2F
03-3574-7890
17:00縲鰀23:00 日・祝休
http://www.ceory.co.jp/

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illustration by Hiroshi Kawai, text by Jun Tanefuji
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