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月島駅

 もんじゃの街として全国、海外から多くの人が集まる月島。その街並は今も尚、昔ながらの東京の下町風情が色濃く残る。加えて近年は住宅街としても注目され、周辺には高層マンションが建ち並び、すっかり月島の街に溶け込んでいる。
今から20年ほど前の月島は、近隣に比べ電車の整備が遅れ、街の開発が進まず、結果東京の下町らしい雰囲気が残すことができたと言われている。そして1988年に有楽町線開通、2000年には大江戸線も開通。開発が一気に進み、今に至る。
 もんじゃはそんな月島の歴史の象徴。開発が遅れたからこそ残せた、やさしく、食べ飽きない味。東京の街を物語る、大切なソウルフードである。

やきとり山賊
やきとり山賊

上質の鶏と、熟練の焼き
どちらが欠けても本物の味は生まれない


 もんじゃの街・月島で焼き鳥? と軽く思うなかれ。この店の焼き鳥は、鶏一筋40年を越える熟練の職人二人によって作り出される本物の味。しかも値段はリーズナブル。もんじゃに負けず劣らずの下町の味として、多くの人に親しまれているのだ。

 「やっぱり焼き鳥で大事なのは、鶏そのもの。うちは健康にのびのびと育てた鶏を仕入れているし、朝引きの新鮮なものだけを使っている。味が全然違うと思うよ(下ごしらえなどを担当する日下田さん)」。

 まずはその味を刺身にて確認。ささ身、砂肝、ムネ、レバー。どれも美しい色合い。そして口に入れると…今まで食したことのない柔らかさ、味の濃さ、臭みのなさ。特にレバーのとろける旨味に感激! これを焼くのはもったいないなあ…と考えていたところに、もも肉(もも肉とネギ)、山賊鶏だんご、皮、ネギ巻き(ネギを胸肉で包んだもの)、4種の焼き鳥と地鶏のもも焼きが目の前に。炭火でこんがりと焼かれた表面は香ばしく、肉は固すぎず柔らかすぎず絶妙な食感、そして溢れ出る鶏の旨味!

 文字数の関係でそれぞれの特徴は語れないけれど、とにかく全て焼いた鶏でしか味わえない醍醐味が凝縮。おかみさんに勧められる芋焼酎二種をぺろりと空けてしまうのも無理はない?

 「やっぱり焼き鳥は炭火が一番。でも火加減がガスみたいに調整できないから、炭の位置を変えたり、焼く順番を考えたり、いろいろやらなきゃならない。まあ、体で覚えちゃったけれどね(笑い)(焼き担当の若林さん)」。上質の鶏と、熟練の焼き。この二つのどちらが欠けても、本物の味は生まれないのである。

地鶏料理と本格焼酎の店 やきとり山賊
東京都中央区月島1-12-12
03-3532-4194

http://r.gnavi.co.jp/g837700/
※下記へ移転しました
地鶏料理と本格焼酎の店 みのり山賊
東京都中央区月島1-4-2
03-5548-6602
17:00~23:00(土曜は22:00まで) 日休

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いろは

だしを使わず、食材にこだわる
何度食べても食べ飽きない味


 ここ「いろは」は、もんじゃの街・月島の礎を作った先駆者的存在のひとつ。「店を開いた当初から、味の基本はほとんど変えていません(社長)」。

 その最大の特徴は、生地にだしを使わないこと。「だしを使うと味は出るんですが、鉄板で煮詰まって濃くなってしまう。そうなると飽きるじゃないですか。だからあえてだしを使いません」。しかしだしを使わないと味が弱い。そこで「いろは」は、具材にこだわることを選んだ。

 「桜えびを使うことで、いいだしが出て、味を深めてくれる。しかも煮詰まっても濃くなりません。あと、他の具材もだしがない分味が求められますから、国産のいい食材を選んで使っています」。この日は二種のもんじゃを頂いたが、最初のミックスもんじゃは、まさに具材のこだわりの象徴。そのまま食べたくなるほどの新鮮な牛肉、生海老、ホタテ。それがもんじゃとして完成すると…何とも贅沢な味わいに。しかも生地がシンプルなため、具の味も際立つ!この日は飲めなかったけれど、さぞかしつまみでもうまいんだろうな…

 もう一品の明太子もちチーズもんじゃには、こだわる具材をより美味しく食べてもらおうという姿勢が。「もちのモチモチ感を大切にしたいから、当店ではもちはもんじゃと別に焼き、出来上がったもんじゃの上に乗せるようにします。チーズもこげないようにその時入れます」。明太子もんじゃの味も楽しめながら、もち、チーズの食感、香り、味わいが鮮明!

 「基本の味は変えませんが、美味しいと思えるメニューはどんどん加えます。明太子もちチーズもそのひとつ。ただ、その中でも「いろは」らしく、美味しい具材を楽しんでいただけるよう、研究を重ねた上でお出ししています」。変化の中でも変わることのない姿勢。老舗もんじゃの店の神髄を見た。


いろは 西仲店
東京都中央区月島3-8-10
03-3534-5086
11:00~24:00(ラストオーダーは23:00) 無休
http://r.gnavi.co.jp/g910002/

いろは
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錦 月島総本店
錦 月島総本店

個性的だからこそ

美味しさに徹底してこだわる

 

 個性派もんじゃの先駆けであり、現在女性を中心に人気の明太子もちもんじゃ。その発案者はここ「錦」のおかみ・古澤さん。彼女は明太子もちに飽き足らず、その後も数々の個性派もんじゃを誕生させて来た。

 「外でご飯を食べたりすると、『このメニュー、もんじゃにできないかな?』と思うんです。そうしたらすぐ実践。閉店後試行錯誤し、いろいろなもんじゃを作り上げてきました」。今回はその中から、お!石狩と丸ごとトマトでメキシカンの二種のもんじゃを食させていただくことに。しかし名前も個性派!

 お!石狩は、その名の通り石狩鍋からヒントを得た一品。生地はもんじゃには珍しく味噌味。具はたっぷりのコーン、やきそば、生鮭の切り身一切れ。それを古澤さんの妹・神谷さんが手際よく鉄板でさばき、みるみるうちに完成間近に。そして仕上げにバターを入れるのだが…あえて鉄板に直に乗せず、生地の上でゆっくりと溶かす。「こうするとバターの香りが活きるんですよ(神谷さん)」。本当、バターの香りが鮮烈! それが味噌と鮭の味わいを色濃く際立たせる。もんじゃを食べているのだが、口の中はまぎれもなく石狩鍋。それも極めて上質の味わいでありました。

 続いて丸ごとトマトでメキシカンは、「錦」女性一番人気の味。カレーベースの生地にコーン、焼きそば、挽肉、チーズ、そしてフレッシュトマト一個分! トマトの爽やかな風味とカレーのスパイシーな味わいが、想像以上にマッチ。それをチーズが何ともまろやかにまとめあげます。むしろ男子が好きな味では?

 「どんなにメニューが個性的でも、一番大切なのは美味しいこと。だからうちでは生地の味付けから材料、作り方まで、かなり時間をかけて研究しますよ(古澤さん)」。個性派もんじゃの開祖は、どこよりも美味しさにどん欲であった。

錦 月島総本店
東京都中央区月島3-11-10
03-3534-8697
17:00~22:00(土日祝は12:00~、ラストオーダーは21:30) 火休
http://r.gnavi.co.jp/p719600/

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illustration by Hiroshi Kawai, text by Jun Tanefuji
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